あの日以来、

秀は私たちの前に現れなかった。

諦めてくれたのかな?

・・・

『またな、小春』


でも、この言葉が引っかかっていた。


「・・る」


・・・

「・・小春!」


「え、はい、なんですか?」


雅也の声に気付かなかった。

「また、何か悩み事か?」


「そんなんじゃないです。

ちょっとボーっと・・・」

そう言って苦笑い。