「じゃあな、ゲルブ。あとはオマエに託したぞ。…頼んだぜ」

「任せてよ、兄ィ…」


 兄は、小さく微笑み、ルナの傍に歩み寄った。


 何かを小さく囁き、またゲルブに向き直る。


 彼が、拳を出してきた。

 ゲルブも拳を出す。


「仇討ったらさ、真っ先に兄ィに報告する」


 約束だ、そう付け足すと兄は、目を細めた。

「待ってるよ」兄が囁くように。「父さんや母さんにも…オマエのこと話しとくから」



 兄の姿が掻き消えた。




『オマエならやれる…って、信じてるから』