頭の下が冷たい。




 ルナはゆっくり目を開けた。




 直後、ドキッとした。




『ルナ、すまねぇ。もう俺は駄目みてぇだ…』





 微かに、ゲルブの声が聞こえた気がしたのだ。


 バッと起き上がる。


 誰もいない。


 そこにあるのは、倒れかけた水晶の柱が互いに支え合ってできたアーチくらい。今、ルナがいる場所は、床も柱も水晶…そう、ここは水晶宮なのだ。