むろん、それは柱に映った自分ではない。


 左右にいるゲルブも後ろにいるゲルブも、皆、こちらを睨んでいる。柱に映った自分なら、見えるのは、横顔の筈。

—水晶宮は実であり、虚である。


 本当に、その通りだ、ルナ。


 おそらく、この四体は偽物、つまり引っ掛け(トラップ)だ。


「どうやって、倒せばいい…?」


 ゲルブは電刀と、ルビーの剣(朱刀)を構えた。他の四体も、同じ動きをする。姿だけではなく、判断も一緒らしい。


 ん?


 ゲルブは、ニヤリと笑った。