「ああ。ずいぶん
日が暮れてきたね」


夕方の光が
重厚な本棚を照らす。

僕はさっきまで聞いていた教授の話を

もう一度、聞き漏らしはないか
ノートをゆっくり確かめる。


なんたってこの街にくるのには
各駅停車の列車をいくつもいくつも乗り継いで

三日三晩もかけたのだから。