「君可愛いねー」

…またか。

「俺と一緒に遊ばない?」

男はそう言って私に近づいてくる。
ここにいればよくある事こんな事
日常茶飯事。

これで何回目だろう…。

そう思いながら無視して歩く私。

「ねぇー無視しないでよ」

そう言って男は私の手を掴んだ。

痛い……離してよ。

そう思っていても私はけして
声を出さない。いや出せないのだ。

私は声を失った。元々は出た。
しかしアレがあってから声が
出なくなってしまった。

あれは私のせい……
もう私には何もない。