「っ……」
男の正体を知った時。
女の子が何もなかったように、普通に服を着始めた時。
「し、失礼しましたぁああああ!!!」
ようやく私の足は動いた。
颯爽と……いや、無様に部屋を去る私。
逃げるために、目についた部屋に飛び込んだ。
-ガラガラ!!
「……な、なんだ荻野目。遅かったじゃないか。遅刻だぞ」
「…へ?」
ここ…。
「ハルー…っ!何してるのっ、コッチコッチ…!」
絵里ちゃんが小声で私のことを呼んだ。
ここが、理科室だ…。
「あ……遅れて、ごめんなさい…」
私は絵里ちゃんの横へ座った。
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