「なにしてんの」


だけど願いは届かず、


私より先に、男が動いた。



やだやだ…


こっち来ないで…っ



-カチャカチャ


だるそうに、ベルトを締める音が生々しい。



私だって、早くどっかに消えたいよ~…。

絵里ちゃんに泣きつきたいよ~…。



動いて…足っ!!





「なにしてんのって。荻野目春サン?」





男が私の真前に来て、嘘のような笑顔を見せた。