―カランカラン
「こんにちはーっ」
「あ、春ちゃーん!こんにちはあ」
無駄に可愛くアレンジされた扉を元気よく開けると、
キラキラした空間が私を包み込む。
「望愛(のあ)ちゃん、もうバイトの格好?」
さっき笑顔で挨拶してくれた望愛ちゃんに聞きながら、『ちぇんじるーむ』へと足を運ぶ。
「うん!早く着たいもん!一日中着てたいくらいっ」
「あはは(笑)さすが望愛ちゃん」
望愛ちゃんは、私と同い年で、学校は違うけどこうやってバイト先で仲良くしてもらってる。
背がちっちゃくて、本当にアイドルみたいに可愛いの。
ただ…
コスプレが大好きな女の子って事で、学校では浮いちゃってるみたい…。
「春ちゃーん。早く着替えてよぉ」
「え、え?なんで?」
「早く春ちゃんの“メイド服”見たい~」
…こういうちょーっと変わったところも、か、かわいいんだけどね。

