先生が授業を再開する。
その瞬間、私はぎゅぅうっと絵里ちゃんに抱きついた。
「えっ、ちょ、春？どうしたの？」
「絵里ちゃ～ん…」
「なにかあった？」
小さな声で、やさしく絵里ちゃんが問いかけてくる。
い、言えるわけないよぉ～っ…
「…ううん。絵里ちゃんが恋しくなった」
「なにそれっ」
あはは、と笑う絵里ちゃん。
冗談じゃないんだって～…
「お前ら何？いちゃついて。カップルかよ」
近くに座っていた村田が睨みながら、私たちを見てくる。
そんな村田に、絵里ちゃんはそっけなく返した。
「村田うっさい」
「はっ？明らかにお前たちの方が―」
「村田うざい」
「はぁぁ！？」
そんないつもと変わらない、絵里ちゃんと村田の言い合いを私はハハハ…と見ていた。
