「黒澤桐夜……!?」
火崎の顔がだんだん青ざめていく。
「おいおい。俺、先輩なんだけど。
先輩の女に手ェ出したうえに呼び捨て?」
黒澤先輩が火崎をにらむ。
「くそッ」といって火崎は走っていった。
「で、なんでヤられそうになってんの?」
「知りませんよ。というか、彼女なんて言って騒ぎになっても知りませんよ。先輩。」
「…………」
「何ですか?黙ったりして。」
「俺、本気なんだけど。」
先輩に見つめられて心臓が、とくん…、となる。
「お前に拒否権はない。」
そう言って先輩は、
あたしの首筋に顔を埋めた。
そして、あたしの耳を舐めた。
ぴちゃっ
「んぁ………」
「俺の女になれよ。」
黒澤先輩は、服の中に手を入れる。
「…無理、です。」
「なんで?」
先輩は服から手を抜いた。
「ごめんなさいッ」
本当は、彼女になりたかった。
(なんで断ったんだろ?)
それは……
先輩のホンモノの好きが欲しかったから。
先輩のホンモノになりたかったから。