「慶、どういうこと?」
「まだ優奈達が別れる前、類が言ってたんだけど…」
類の部活が長引いて一緒に帰れなかった日、あたしが他の男と一緒に帰ってたって誰かから聞いたらしい。
誰が言い出したのか知らないけど、類があたしのこと信じてくれなかったのが悔しかった。
慶が言うには、類はまだあたしのことを思ってくれているらしい。
「今更、誤解とこうとしたって無理だよね…。あたしからフッたんだもん」
「…もうお前のこと諦めようとしてるらしい」
慶は言いにくそうに言った。
「…あたしが別れる電話をした時、類、女といたみたいなんだよね」
その言葉を聞いて、慶は驚いた顔をした。
「それはないぞ。俺らといたんだから」
慶は、その女の声は近くにいた子供だと言う。
「…嘘でしょ」
あたしは悔しくて悔しくて、あの時類を信じなかった自分に腹が立った。
類のこと言ってられない。…あたしこそ類を信じないでなにしてるんだろ。
あたしの心には後悔しか残らなかった。
