秘めた想い【短編】

「お前一人で充分そうだから、俺は消えるね〜。悪いね。」

ガタイのいい男は舌打ちして更に不機嫌な顔をして再び青年を挑発した。


目の前の男のわきから彼女を見ると振り返ってこっちを見て真顔で頷いた。


わざと一人退かしてくれたのか…？

そう思った瞬間、上から強烈な拳が降って来た。

女に気を取られていた間に、女に選ばれなかった悔しさから勢いを増した一発をまともにくらい、視界から、カラーが飛んだ。

ゆっくり遠退く意識の中、青年は思った。

…どうせ連れ出すならどう考えてもこっちだろ…。


これを最後に青年は気を失った。