秘めた想い【短編】

「じゃあこの子に選んでもらおうか。」

ガタイのいい男は自信有り気に女の子に聞いた。

「俺とコイツ、どっちがタイプ?」

ニヤリと笑って女の子に顔を近づけた。

そんな状況でも彼女は無表情で

「私は喧嘩の話をしてるんだけど。」

と男を怖がる素振りもなく、二人をつめた。


暫しの間、無言の会話が目で交わされ、その場に異様な緊張感が漂った。


その時、ミニスカートの女の子は視線を下げたと思うと、

長身の男のジーンズの後ろポケットを見て、目を止め、じっと見た。

彼女の表情が一瞬にして固くなった。