秘めた想い【短編】

「やるならタイマンでやんなよぉ。正々堂々と!」

えーっ!!

止めとけって!無茶するなぁ…。この子…。

怖いもの知らずの野次馬にそんなことを思っていると、二人の男が彼女に向きあって女の顔をまじまじと見た。

「彼女、気が強いねぇ。俺とデートでもしようか。」

ガタイのいい男はいやらしい顔で彼女を誘った。


「おいおい、この子は俺が見付けたんだから俺のだよ。」

長身の男が連れに笑いながら言った。

「ねぇ。かわいこちゃん。」

長身の男はそう言って女の子の顔を覗き込んだ。