秘めた想い【短編】

誰が見ても青年が一方的にやられているにも関わらず、野次馬の間を掻き分けて

「楽しそうだね〜。俺も手伝うよ〜。」

と言って、長身の男が近付いて来て、青年を後ろから羽交い締めにして抑えつけた。


ガタイのいい男は羽交い締めにされて身動きが取れない青年の目の前に立ちはばかり、ニヤリと笑って手首を回して挑発した。


青年は口の中の血を地面に吐きながら

もう最悪だ…。

こいつらどこまでやるつもりだよ…。

勘弁してくれよ…。

そう思った瞬間、

いきなり前の男の蹴りが飛んで来た。