秘めた想い【短編】

蓋を開けると瓶の中から錠剤ではなく、一枚の手紙が出て来た。

彼はそれを取り出し開いて見た。



『いつでも私はあなたを見ています。

傍であなたを想っています。

だからどうかあなたは強く生きて下さい。

私の分も…。

どうか、あなたは幸せに。

貴子』


夫は崩れ落ち、床に頭を擦り付けて声を上げて泣いた。

残り少ない体力全てを使って大声で泣いた。

頭に浮かぶのは白けた顔した妻が自分に笑いかける姿だった。