しーん。 お互いなにも話さないまま隣を歩く。 こんなにも近くにいられることが 夢みたい。 『……なぁ』 「なっ、なに?」 桜君は苦笑しながら片手で自分の髪をくしゃくしゃにする。 『俺、さ…多分今日、橘がいたから… 頑張れたん、だ…と思う』 慣れない日本語を話す外人のように所々区切られた言葉。 そこから桜君の気持ちは読み取れない…