「すっごくかわいい!」

ずっとなでなでされているチョコが何気に羨ましい。
一応チョコはオスだぞ。

まぁ、チョコは人懐っこいから。
よく近所の人とかから人気があるみたいだけど。

でも、ここまでチョコもデレデレになってるの初めて見た。

「やっぱ犬っていいね。癒される。」

「こいつ、オスだから女子には顔向けがいいんだよ。俺に何か全然なついてこないし。」

「うそ。でも、むっちゃかわいい。」

チョコは舞恋にすっかり懐いてしまった。
俺がチョコになりたいぐらいだし。

「てか、舞恋の親はいつ帰ってくるんだ?」

「わかんない。だからここで暇つぶし。」

ほんとに大丈夫か?もし俺がここに来てなかったら舞恋危なかったぞ。

てか、チョコのやつマジむかつく。
舞恋の膝の上で寝てやがる。何様だよこいつ。

「というか、輝こそ。帰って寝なくていいの?」

「すげぇ眠いけど、舞恋を置いて帰れるわけにはいけねぇし。」

そう言うと舞恋は顔を真っ赤にしてうつむいた。
あれ・・・なんか照れてるのか?

「舞恋?」

「な、何よ・・・」

ドキっ!

な、なんだこの上目使い。やばい・・・

「い、いやなにも・・・」

俺まで顔が暑くなってしまう。舞恋・・・そんな顔・・・

「ワンっ!」

「うわっ!」

「おい!チョコ!」

油断しているとチョコが舞恋の顔を舐め回している。

「いやっ!ちょっとぉ。」

俺は無理やりチョコを突き放した。

「ごめん、こいつ調子乗るとすぐ人の顔舐めるから。」

「いいよ。ま、可愛いから許す。」

そう言いながら舞恋はチョコの頭を撫でた。