姫さまvs王子さま

母親がいなくなった部屋は
何もいつもと変わらない。

どうせ毎日いないんだし
何一つ変わらない生活。

なのになぜか
“寂しい”と感じる自分がいる。

たぶん部屋が片付いているからか。
きっとそうだ。
いつも母親の荷物で溢れかえっていたんだ。
何もなくなったんだから殺風景は確かだ。
片付いてラッキーじゃん。
部屋が広くなったんだし。


明日から学校はどうしようか。
勝手に退学にさせられたし
もう行けないって事だよね。

バイトの時間を増やそうか。
3つくらい掛けもちしないと生活出来ないか?
どうしよ…。

明日…
心がビックリするんだろうなぁ。
そりゃそうだよ。
今日は普通に学校行ったのに
翌日には無言で退学だもん。
心じゃなくても驚く。
有音なんて怒り狂いそう。
学校行くの…好きだったんだけどな。



妃「はぁ…」



一気に疲れちゃった。
いろいろ考えたら気が滅入ってきた。


散歩でもしてこようかな。



深夜1時。
財布も携帯も持たず
フラフラ~っと
真っ暗な外へと飛び出していった。