家に帰ってから今日のことを思い出す。
2年初めてのテスト。
消しゴムがない。
そう気付いたのはテスト3分前だった。
「竜!消しゴム2こ持ってたりしない?」
「また忘れ物かー?持ってるよ。
七海のために持ってきた!なんつってー」
冗談混じりに笑いながら、小さな丸い消しゴムをあたしの机の上に置いてきた。
これが竜の消しゴム‥
そう思うといてもたってもいられなかった。
「この消しゴム、舐めたら竜の味かなあ」
持って帰ってきてしまった消しゴムを部屋の中でじっと見つめる。
ぺろ‥
「‥‥美味しい。ーーニヤ」
これから竜の物を集めていこう。
だって竜の物はアタシのモノ。
竜もアタシのモノ。