小指に繋がる一本の糸









「侑也…昨日、目覚ましたんやって」


『そっか…ゴホッ…』




「俺のせいやねん…」
『え…?…ゴホッ』



――――――――――――

事故の前の夜


pipipipi…pipipipi…

誰?
この番号…


「もしもし…」
「よぉ」



…侑也



「何?」
「怒らんとってや」
「別に
早く用件ゆぇや」


「はいはい
最近知夏元気ないやろ?」
「軽々しく呼ぶなよ」
「はぁ?」
「お前は知夏を捨てたんやろ?
お前に心配される必要なんかない」


「俺は、お前より知夏を見てる」


黙れ

何も知らんくせして語るな


俺の恋愛を軽々しく語るな




「じゃあなんで捨てた?
お前がどれだけ知夏を見てても
知夏が好きでも
知夏を傷つけたことに変わりはない
知夏を傷つけるなら、お前に知夏を語る資格はない
もぅ知夏の前に姿見せんな」




――――――――――――



「ってわけやねん…」

『ありがとう
琉依…ゴホッ…』


「え?」

『知夏は何があっても琉依のそばにおるからな』

「うん」




着いた

侑也の病室の前