小指に繋がる一本の糸







『兄ちゃんっ
ちぃちゃん来てるってホンマ?!』

『しぃちゃんっ』
『ちぃちゃんっ』

「しずく
頭、知夏に見てもらえ」
『あ、そぅそぅ
知夏に見して?』

『うん』


『傷口あんまり大きくないから消毒してガーゼ貼っとこっか』
『うんっ』


しぃちゃん…辛そうに笑うなぁ…


「知夏、コレ」


ガーゼと消毒液


保健委員の経験あってよかったぁ…



『よし、もぅ大丈夫』
『ちぃちゃんありがとう』


「とりあえずカバン置いてきぃ」

『忘れとった』

しぃちゃんは走って自分の部屋に行った





夜――――――


ガチャ…

『おかえりなさい』


ママさんの声



「父さん帰ってきた」
『ちぃちゃん…パパ怖い』
『しぃちゃん、大丈夫やで』