「ある少女は超能力を持っていた。それを分からずに自分だけがおかしいのだと思っていたの。それは遺伝性の高いものだった。その少女は予言が出来た。未来が分かるっていうことは安心なようで危ないのね。事故も事前に分かってしまうのだから」
近藤さんはコーヒーをポットから持ってきて勧めながらしゃべった。
「未来は知るものじゃない。未来は自分で作る物ね」
「彼女は人の心もわかったの。いつもお金のことばかり考えているひと、女の裸ばかり浮かんでいる人、危ない仕事をしている人。それからもうすぐ死ぬ人。もう生きていくのがつらくなったしまったの。そんな彼女に初めて友達が出来た。同じ超能力をもつ同級生だった。小学校4年生だったときに少年が転校してきたの。少年は時を超えることのできる能力を持つ子だった。深い闇を持つ瞳を見たときにすぐにお互いが分かった。同じだってこと」
超能力。
未来が分かる。時を超える。
ちょっと想像つかないけれど人と違う境遇というのはつらいのだろうな。
「ある日、彼女は大きな地震がくることがわかった。少年には心で伝えた。そして二人で逃げたの。とても大きな地震で何もかもこの地にあるもの全てが無くなるくらい。それをチャンスと捉えたの。記憶を全てなくして違う空間へ移動するということを選んだの。だから二人はこの世界ではもういないの。始めから存在すらなかった。そういう道を選んだの」
近藤さんはコーヒーをポットから持ってきて勧めながらしゃべった。
「未来は知るものじゃない。未来は自分で作る物ね」
「彼女は人の心もわかったの。いつもお金のことばかり考えているひと、女の裸ばかり浮かんでいる人、危ない仕事をしている人。それからもうすぐ死ぬ人。もう生きていくのがつらくなったしまったの。そんな彼女に初めて友達が出来た。同じ超能力をもつ同級生だった。小学校4年生だったときに少年が転校してきたの。少年は時を超えることのできる能力を持つ子だった。深い闇を持つ瞳を見たときにすぐにお互いが分かった。同じだってこと」
超能力。
未来が分かる。時を超える。
ちょっと想像つかないけれど人と違う境遇というのはつらいのだろうな。
「ある日、彼女は大きな地震がくることがわかった。少年には心で伝えた。そして二人で逃げたの。とても大きな地震で何もかもこの地にあるもの全てが無くなるくらい。それをチャンスと捉えたの。記憶を全てなくして違う空間へ移動するということを選んだの。だから二人はこの世界ではもういないの。始めから存在すらなかった。そういう道を選んだの」
