謝りながらDVDデッキにディスクを入れて再生ボタンを押す。
大きいスクリーンに映し出されていく画面を眺めながら、彼の隣にそうっと腰掛ける。
彼は私を気にしているだろうか、普段私達に関わりは無い。私がただ一方的に谷本信弥の喉仏を愛しているというだけだ。
自分の体重が沈んでいくのを感じながら、彼の裾をちょっとだけ掴む。彼は驚いて私を見て、私も自分自身の無意識の行動にちょっと、すごく驚いてしまった。
「わ、な、に?」
「あ、その、恐いから、掴んでてもい?」
誤魔化すのに必死で、彼の顔を見れない。思わず掴んでいる指に力を込めれば、彼はその指を慣れない手つきで剥がして、そのまま私の手を握ってくれた。
あまりの事に再度驚いて彼の顔を見ると、彼は顔を真っ赤にして画面を真っ直ぐ見ていた。
「こっちじゃ、駄目かな」
「…ううん、ありがと」
私もつられて顔を真っ赤にさせながら、彼の手を握り返した。彼から伝わってくる体温と鼓動は、私とよく似ていて。
その事実に、頭がおかしくなりそうだ。
谷本信弥の喉仏より、そっちを気にしている事に気付くまで映画1本分かかった。
大きいスクリーンに映し出されていく画面を眺めながら、彼の隣にそうっと腰掛ける。
彼は私を気にしているだろうか、普段私達に関わりは無い。私がただ一方的に谷本信弥の喉仏を愛しているというだけだ。
自分の体重が沈んでいくのを感じながら、彼の裾をちょっとだけ掴む。彼は驚いて私を見て、私も自分自身の無意識の行動にちょっと、すごく驚いてしまった。
「わ、な、に?」
「あ、その、恐いから、掴んでてもい?」
誤魔化すのに必死で、彼の顔を見れない。思わず掴んでいる指に力を込めれば、彼はその指を慣れない手つきで剥がして、そのまま私の手を握ってくれた。
あまりの事に再度驚いて彼の顔を見ると、彼は顔を真っ赤にして画面を真っ直ぐ見ていた。
「こっちじゃ、駄目かな」
「…ううん、ありがと」
私もつられて顔を真っ赤にさせながら、彼の手を握り返した。彼から伝わってくる体温と鼓動は、私とよく似ていて。
その事実に、頭がおかしくなりそうだ。
谷本信弥の喉仏より、そっちを気にしている事に気付くまで映画1本分かかった。
