ジャー
 トプトポ...ドボドボボボ

「………ね、どうしたの?」

 ドボドボドボ

「…ねぇ、」

 トプトプ、ドボ、ドボドボボ

 私は聞く事を止めた。これ以上口を開いても無駄な事だと、身を以て思い知ったからだ。目の前で無言でお風呂にお湯を溜めているじゅんさんは、私を見向きもしない。

 何故私は、帰宅して早々お風呂に入れられようとしているのか。
 じゅんさんは何故一心腐乱にお風呂に湯を張っているのか。
 
 全く分からない。意味不明だ。

 しかも彼は、私の服を、私の抵抗を無視し脱がしてしまい。じゅんさんも、また何も身に着けていない状態だ。そんな丸裸のまま湯船に無理矢理詰め込まれ。

 今に至る。

 少しずつお湯が足元を埋めていく。じゅんさんは、体育座りをしている私の目の前に座る。私の足を挟むように座るので、とても目のやり場に困る。

 ずっと自分の爪先を見ていたが、ふ、と、じゅんさんを見る。相変わらず、じゅんさんは何も言わない。何も言わないで、私の瞳をじっと観察するように見ている。
 私も何も言わない。何かを言っても無駄だという事を、さっき嫌という程痛感しているからだ。