それから、 私の両手で支えているカメラを、彼はそっと、柔らかく触れた。 「一眼レフ、か…」 そう呟きながらカメラを見つめる目は、とても優しくて、でもどこか悲しげで。 私は、その瞳に何かが引っ掛かった。 彼の悲しそうにする目が、入学式の日、教室で私に嘘を吐いたときの蒼の目と、そっくりだったから。