“せりざわ”はさっきまで黙っていた口を、一気に緩めて笑った。 「ははっ、そんなこと言われたの初めてなんだけど」 彼の初めての笑顔。 その微笑みは、秋の太陽で照らされたこの2階が、さらに優しく包み込まれたような感覚だった。 ド、キ 私の胸のどこかで、一瞬、何かの高鳴りがする。