生き続ける-消えない思い出-



しかし、私の淡い期待も消え去り、“せりざわ”は両手にバスケットボールを抱えながら、こちらを凝視していたのだ。


私の視線と、彼の視線がぶつかる。


やばい……っ



その瞬間、彼は私が上ってきた階段を一気に駆け上ってきた。

私は逃げる隙も、それどころかあたふたする間もなかった。


そして、あっという間にあの人は私のいる2階へ来てしまった。