「うわ……ぁ」 胸のところまである柵に両手を掛けて覗き込むと、 そこには上からでないと見渡せない大人数が、懸命に走りながらバスケットボールを突いていた。 低くみえたこの2階も、上から見ると意外と高い。 私はきょろきょろと、頭を左右前後に動かしながら1階全体を見回す。 するとまた、あの人の名前が聞こえた。 「せりざわ!!そのまま走り切れ!!」 声が聞こえたほうに目を向けると、 ──────いた。