「せりざわ、って…」 確か、さっき外で私にボールをぶつけてきた人。 かなりレベルが高い雰囲気を漂わせていた、あの人。 顧問らしき人物が、あの人に向かって“せりざわ”と言っていた記憶がある。 私はゆっくりと立ち上がった。 そして、よく分からないのだけれど、引き寄せられるように、白い柵が立てられている所を目指して一歩一歩、歩き出す。