「やっ……ば。大丈夫?」 私は転がっていたボールを手に取った。 「大丈夫じゃないに決まってる!おかげでせっかくの写真が─────────」 そう言いながら話しかけてきた男子生徒を見ると、途中で言葉がでなかった。 栗色の髪の毛に、鼻筋が通った綺麗な顔立ち。 おまけに滴り落ちる汗。 この高校は、正直レベルが低いから、ここまでの人はなかなか見ない。 同じ学年だったら知ってるはずなのに、見たことない人だ。