- 梓side -
いなくなった蒼の姿を思い浮かべながら、ぼんやりとその場に立ちすくんでいた。
蒼は、それだけを私に言いに来たの?
先輩とのさっきの会話はいったいどういう意味?
どうして───笑っていたのに、目は寂しそうだったの?
色んな疑問が頭の中に残った。
「あの───」
登稀先輩に声をかけようと隣を見ると、先輩は柵にもたれかかりながら天井を仰いだ。
「俺と蒼は、従兄弟なんだ」
先輩がぽつりと言った言葉に、私は驚きを隠せなかった。
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