いつのまにか俯いていた俺は、そいつの顔を見れなくなっていた。 それから誰も口を開こうとしない少しの間。 もう他の部員達は帰ってしまったのだろうか、下からはあの騒がしかった声ももう聞こえない。 その間、そいつは何を思ったのか、何を考えていたのかはわからない。 「─────────ああ」 そう一言、告げた。