♪キーンコーンカーンコーン…
キーンコーンカーンコーン…
不意に、あのお馴染みのオルガン音が聴こえてきた。
『下校時刻の6時が過ぎました。部活動を行っている生徒やまだ学校に残っている生徒は、急いで帰りましょう。これで、放課後の放送を終わります』
マイクを通じて、将来はアナウンサー志望と噂される放送部が、滑らかな口調で私達に伝えてくれる。
私は反射的に窓の外を見た。
確かに、夕方のHRが終わった4時にここへ来た時は、まだ全然明るかったのに、今はもう夕日が沈んでいっている。
昨日も少し思ったけれど、
「日没、早くなったな…」
夏の頃は6時でも暗くはなかった。
なんだか、先輩と居れる時間が物足りない気もして、ちょっとだけ寂しくなった自分がいた。
