しかし、 私があまりに沈んでいた様に見えたのか。 私に背を向けここから立ち去ろうとしていた登稀先輩が、チラリと視線を送ってきた。 「悪い、ちょっときつかったな」 「え…」 「その、ここ集中しにくい所だと思うけど、撮る時の気持ちって大切だと思うから」 それだけ言うと先輩は、怒りの顧問のいる1階へと、風のように駆けていった。