- 梓side -



ゆっくりと、けれど止まることを知らない、真っ赤な夕焼け。


徐々にその姿を隠していき、丁度あと半分、という頃。



私は、誰もいない廊下を歩いていた。

別校舎のほうから、吹奏楽部の音楽が奏でられているのを聴きながら。



『写真部』と標記された長方形のプレートを確認してから、ガラリとドアを開ける。