その人は、誘いを断った俺になんの偏見も持たず、 「そうか」 と一言呟いただけだった。 それから、パッと思いついたように、俺の目の前で制服のポケットをごそごそと探りだす。 「ジャーン」 ポケットから一枚の長方形の紙を取り出したと思ったら、急に効果音が口から出てきて、俺はその人を一瞬不審な目で見てしまった。 その人の人差し指と中指で挟まれていたのは、紙ではなく、一枚の写真だった。