彼は、この時、初めて気が付いたように、戸惑いながら呟いた。 「そっか。お前、写真部だったのか……」 そしてそれから、何も聞かず、ただ一言 「いいよ」 と、とても柔らかい目で、私の思いに答えてくれた。 その目には、さっきまでの戸惑いはもう、ひとカケラもなかった。