窓の外から、いつか感じた、あの秋の優しい風が、体育館の中に流れ込んできた。 私の癖のない真っ黒な髪も、ふわりと揺れる。 そんな風が頬に撫でられるようにあたり、とても心地良い。 私は、彼に会って数分の間に生まれた、新しい想い。 それを伝えようとした。 すう───── と息をゆっくり吸う。