俺の問いかけに、ゆっくりと振り返り冷たい視線を向ける。


「‥‥てめぇに名乗る義理はねぇ」


そうれだけ言うとまた歩き始めた。


「お、俺は!2年前!アンタに助けられた!その時アンタは、『自分は白龍だ』と名乗った!!覚えてねぇのか!!?」


必死に叫んだのも虚しく、そいつは一度も振り返ることなく倉庫を出て行った。


あとに残ったのは、俺とアイツにやられた下っ端だけ。


「すごい、現場だったなー」


ヘラりとした声が倉庫に響く。


振り返ると、レオとケイタがドアから顔だけを出してこっちを見ていた。


あの、威圧感から解放された俺の体は一気に汗を掻き出し、先ほどの事を思い出させた。


両膝をつき、乱れ始めた呼吸を必死に整える。