「おぉ、サンキュ」


それを、一気に飲み干して手の甲で口元を拭く。


「けど、なんで帰ったんだろうね」


レオが自分の、ソファに座りながら呟いた。


「ケータイ」


ソファで寝ていたはずのケイタが、顔の上にかぶせていた雑誌を少しずらしながらポツリと言った。


「ケータイ?」


「うん。ケータイが震えて、それを確認してからマナは帰って行った」


「誰かに呼び出されたのかな」


ぐびり、一口飲んでビールの缶を机に置いたレオ。


「マナのことについては、調べたのか」


「お、カナタが初めて名前を呼んだ」