ナオがすごい形相であたしの肩を掴んだ。


「本当だよ。殴られそうにもなったし」


そう言うと、ナオは今まで見たこともないくらい怒った表情を見せた。


「おい。白鬼って言ったか」


「はい」


「悪かったマナ。これからは、ハルを護衛につける」


「う、うん」


ナオはそれだけ言うと着替えに2階へあがって行った。


「久々に見たなぁ。ナオさんのあの顔」


「久々って、あたし一度も見たことないんだけど」


ハルが、遠くを見つめるような目で口を開いた。