あれ、でもなんで嫌がってたんだろう?


「うーん」


「どしたの?鍵ないの‥‥?」


玄関で考え込んでしまったあたしに後ろから慶太が声をかける。


「あ、ごめんごめん。違うの」


ドアを開けてケイタに中に入るように促す。


「お邪魔します」


「どうぞどうぞー、あ、適当に座ってね」


リビングへ通して、ココアの素を探す。


「へぇ、意外と綺麗だね」


「ありがと。いつもね‥‥いつ、も‥‥あ」


そうだった、いつもハルが‥‥掃除とかしてくれてたんだった