ケイタの背丈よりもはるかに大きなバイクをいとも簡単に操っていく。


「大体の位置どこ?」


「うーんと、3丁目辺り?」


「それは、夕陽に向かって行けばいいの‥‥?」


それ、いろいろ引っかかりそうだよ


「うそ、ちゃんと送る。捕まってて」


腰に腕を回して、ぴったり背中にくっついた。


「安全運転でお願いします」


「了解」


2人で小さく笑っった。


後ろのうるさい声をケイタがバイクのマフラー音でかき消し、一筋のヘッドライトに沿ってバイクは走り出した。