ナオの運転に期待なんてこれっぽっちもなかったけど、ここまでだったとは‥


ぐるんぐるんする頭を必死に起こして前へ歩く。


すっかり日は落ちて夕焼け色に空は染まっていた。


「ちょっと、時間がやばいな」


ナオが空を見上げながら呟いた。


「ねぇ、さっきから何気にしてるの?」


「ここは、ハルたちだけが使ってるとこじゃねぇんだよ」


ハルたちだけじゃないって‥‥


他の族もここを使ってるってこと?


「え、そんなの俺知りませんけど‥‥」


「ま、時間がずれてたかなにかだろ。運のいいやつだな」


ナオが鼻を鳴らしながら、一番最初に夕陽を浴びた。