目の前の赤信号を無視し、ただ、前だけを見る。


「ははっ、規制違反だぜ?」


俺の横に並んだ、白鬼がニヤリと笑った。


「そんなの、今更だな」


お前だって同じようなもんだろうが。


俺は、族だ。


別にカッコつけるわけじゃねぇが族が‥規制なんて守ってられるか。


「こんなん‥ただのガキの粋がりだな」


「あ?何か言ったか?」


「なんでもねぇよ」


右手に力を入れて、手首を回す。


高い音が、俺の走ったあとに響き渡る。