さっきまでの優しい微笑みはどこへやら。


出て行く時の、ナオと同じ顔つきになった。


「マナちゃんこそ大丈夫?ここに来る前のこと覚えてる?」


覚えてるよ


あたしが、大柄な男に捕まってハルが‥‥ハルが‥‥


「ハルが‥‥殴られた‥‥」


「殴られ‥‥あぁ、そっか。うん、そうだね‥そうだった、そうだった」


まるで、人ごとのように視線を流された。


「よかった、マナちゃん無事そうだね」


うん、大丈夫だよ。


そう言いたいのに、ここまで出かかってるのに‥‥‥‥言えない。


だって、さっきの言葉があたしの思考を乱す。