「ほどほどにしとけよ?」


「わぁってるって」


会話が途切れ、ひとつの足音は遠ざかってもう一つは‥‥近づいて来る‥‥っ


「コンチハ」


耳元で囁かれた声に寒気がした。


しゃがれた声がなんだか、あたしの体にまとわりつくようで気持ち悪かった。


「あー、顔見てぇなー。けど、ボコられんのはヤだしなー。なぁ、ぶっちゃけ、あの人とあんたの関係って何?」


「あの人‥‥?」


さっきから出てくるあの人って誰なんだろう‥‥?


「あれ、知らねぇの?」


男の人のびっくりしたような声が聞こえてくるけど、そんなこと話してる場合じゃない。


「あのっハルはっ!ハルはどこにいるの!?」