おもむろに携帯を取り出し、そいつに電波を届けた。


耳元で響くコール音が気持ちをはやらせる。


『はい‥‥』


いつもどおり、少し低めのけれどどこか幼さを持ったような声が耳に届いた。


「なぁ、俺は馬鹿だな」


俺の第一声に、白鬼どもは驚いたような空気を醸した。


『どうしたんですか、急に』


笑いを含んだようないつもの声が、今は不安を煽る。


「今の俺は、敵視してた奴らの言葉だけでもこんなにも揺れるんだなって」


『ちょ、話が全く見えないんですけど。何かあったんですか?』


「おい、マナどこ連れてった。話せ」


頼むから、知らないって言ってくれよ‥‥‥っ